丑の刻・丑三つ時について
丑の刻とは具体的にいつを指すものでどういったものなのかについて少しお話していきたいと思います。
丑の刻とは、元々は、時刻の読み方が現在の24時間の読み方では無く、延喜法の十二支読みであった時の午前1~午前3時までの事を丑の刻と言いました。
ではなぜこの 丑の刻が霊的因子が満ちて呪術や霊的儀式を執り行うのに向いているのかのでしょう?
丑の刻である午前1~午前3時と言うのは、丑から寅の間の時刻であり、その時刻が指すのが丑寅の方角になるのですが、この丑寅の方角と言うのは北東にあたり、北東と言うのは古来より鬼門の方角とされています。
したがって丑の刻は、鬼門の開く時刻となっており、霊道が開き易くなったり、霊的因子が満ちる時刻である事から、呪術や霊的儀式を執り行うのに向いている時刻なのです。
また丑寅の逆位置にあたる未申の方角は、裏鬼門となっていて、この未申にあたる未の刻も鬼門の開く時刻ではあるのですが、未の刻と言うのは、丑の刻の逆位置で午後1時~午後3時の間なので丑の刻とは違い日中で陽の気が満ちているので霊的因子は丑の刻に比べて少なく呪術を執り行うには向いていません。
逆に未の刻には、除霊やお祓いなどの厄落としなどには向いていると言えます。
この様な事から、呪術を執り行うのは丑の刻が良いとされているのですが、中でも丑三つ時が良いと言われているのは、丑三つ時の始まりが丁度丑寅の方角、つまりは鬼門の開く時刻とされている時間で、古来では、鬼の出る時刻とも言われる程の霊的因子が高まり陰の気も満ちている時間だからです。
この様なことから、呪術を執り行うのは、丑三つ時が一番適しており、丑三つ時に呪術を執り行う事で、呪術の効力を一番高める事が出来ます。
日本の呪術などには、古来よりこの様に時刻などにも仕掛けが施されており、様々な因果関係を作り上げてその力を利用して術式を組み上げる事で、世界的に見ても高度な呪術となっています。