動物の死骸や血を使う~シャーマンの呪術

シャーマンとは、巫師、祈祷師としての能力を持ち、意図的にトランス状態になることで、死霊や精霊、神霊などの超自然的存在と交信できる人間のことです。また、このシャーマンを中心に成り立つ宗教体系を、「シャーマニズム」と言います。

シャーマンの祈祷は、主に医療方面に秀でたものが多いです。これは、シャーマンは自民族を守る存在である為です。しかし、他部族との争いの際などは、敵への攻撃も行っていました。この際に用いられたのが、動物の死骸や血を使う呪術です。

今回は、攻撃を目的に行うシャーマンの呪術を紹介しようと思います。

シャーマンの祈祷、呪術の基礎は、神霊や死霊などとの交信です。ですから、それらの超自然的な存在を、如何に自身の目的に有利なように扱えるかが肝となります。その上で特に効果が高いのが、動物の死骸と血を使った呪術です。

・準備する物

動物の死骸と血液(哺乳類のものを一匹分、できるだけ新鮮なものが良い)
呪いを掛ける対象の身体の一部(髪の毛や爪など)
打楽器
アルコール飲料

・時間
深夜

・方法

まず、人目に付かない山の中で動物の死骸を置き、その上にその動物の血をかけます。その後ほろ酔いになる程度、アルコール飲料を摂取します。その後、打楽器を叩きながら精神を高揚させ、呪いたい対象の身体の一を動物の死骸の上に乗せます。

酔いが醒めてくるか日が昇るかの段階で、打楽器を叩くことを辞め、動物の死骸を埋めれば終了です。

これは、アルコールと打楽器によって意図的にトランス状態を引き起こし、動物の死骸から呼び出した死霊に呪いを掛ける対象の身体の一部を与えることで、その死霊を、呪いを掛ける対象へ取り憑かせる、攻撃の呪術です。トランス状態になる必要があるのは、その方が死霊との交信が行いやすいからです。

シャーマンの長い歴史の中で培われてきた技術ですので、効果の確実性は呪術の中でも頭一つ抜けています。ただし、祈祷や呪術に失敗したシャーマンの最後は悲惨なものが多いため、その点だけは留意しておいてください。

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